隕石の話 -2025「紋別わくわく科学教室」-

高橋修平

2025紋別わくわく科学教室

 今年7月17日,紋別のオホーツク流氷科学センターで「紋別わくわく科学教室」が行われました.途中,コロナ禍による休止をはさみましたが,今年で第10回で参加者1221名,出展ブースは33あり,本NPOからは須田先生も参加されました(図1).出展参加者は色々で,近隣の小中高の先生,大学では北見工大,北海道教育大釧路校,北大があり,各機関では網走地方気象台,紋別海上保安部,紋別市,その他各サイエンスグループがあります(図2).
 参加の動機は,サイエンス普及,災害教育,温暖化問題提起,学生のボランティア教育など様々ですが,共通しているのは「楽しいから」ということです.
 私の担当は「隕石割り」イベントの説明でした.その役目をするに至った経緯は次に記します.

図1.ブースで説明する本NPO会員の須田さん.

図2.北海道教育大釧路校のブース.総勢30名が遠路はるばる釧路から車でやってきました.

図3.隕石割りの瞬間.割っているのは桑原学芸員,保護用アクリルガラスを押さえているのは石原学芸員.

隕石の話

 話は2018年にさかのぼります.流氷科学センターに極地コーナーを設け,氷掘削機や雪氷観測器機,タロジロを並べ,南極の内陸氷,北極T3氷島氷を低温室に展示しました.氷は極地研の本山教授に提供して頂きました(図4).
 折角なので隕石も欲しいと極地研に相談すると条件付きで貸出ならできるとのこと.その条件が厳しく,貸出しは2ヶ月以内,手に入れたら3日以内に展示し,終了後3日以内に戻すこと.隕石の輸送は宅配は不可で受取り人が飛行機では預けずに手に持つ.隕石はケースごと百分の一グラム精度の秤で重量を測るので,少し割れても欠損のないように持ち下さいとのこと.
 職員が東京を往復して2019年7月に隕石展示を実現させました(図5).その隕石を見に来た化石・鉱物収集家の橘有三さんが,隕石なら私が色々持ってますから科学教室で皆さんに割って配りましょうと言う(図6).モロッコ産とは言え貴重な隕石を割るのは驚きでした.私は,南極隕石の説明係でしたが(資料1),その後,隕石全体の説明をすることになったのです(資料2).

図4.2018年科学センターに設けた「極地コーナー」.

図5.2019年7-9月に行われた隕石展示.

図6.2019年わくわく科学教室のチラシ.「隕石のカケラプレゼント」とあり,その後,恒例になりました.

 表1に「紋別わくわく科学教室」タイトルを示します.また,そのいくつかのブースの様子を下に紹介します.

       表1.2025「紋別わくわく科学教室」タイトル(参加者:1221名)
          於:道立オホーツク流氷科学センター,2025/7/17(日).

図7.網走地方気象台ブース(No.1).名物となった人力の地震体験台.地震計を付けた台を二人がかりで揺らして震度7を体験.普通は子供が乗るがこの時は大人の女性が乗って大騒ぎ,その分職員は汗びっしょり.

図8.瞬間アイス(No.21).子供たちに一番人気.液体窒素にシロップを入れると粒々アイスが出来て食べられる.

図9.振興局(網走)(No.14).災害用の電気自動車の電源でエコバッグのアイロンプリント.

図10.ダイヤモンドダスト(No.14).低温研の的場さんはダストは見えなくても楽し気にやっている.左の女性は今年南極越冬へ.

図11.ブーメラン(No.15).雪氷学会員として参加の平松さんは,今年は紙で作るブーメラン.

図12.手で持てるシャボン玉(No.13).両面テープ(長さは幅の2倍)の片側にラメをふりかけ,折ってから外の紙を外して中心に空気を入れるとシャボン玉!

【資料1】 特別パネル南極の隕石


【資料2】 隕石ってどんなもの?

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